自分にあった良品がたくさん姿勢支援具につい

姿勢支援具の選び方

姿勢支援具は姿勢の基本的なバリエーションに応じて姿勢を補助・支援するものです。「寝る(臥位)」「座る(座位)」「立つ(立位)」の基本姿勢と、中間位としての「膝立ち位」またそのバリエーションとして、それぞれの前傾姿勢、後傾姿勢に応じた姿勢支援具が考えられます。

目的・用途による選び方

姿勢支援具をつくろうとする時、まず第一にはっきりさせなければならないことは、それを使う場所と目的です。

【使用場所】と【使用目的】の明確なビジョンを持たないと、中途半端な使いにくい物になってしまいます。

フレームの種類による選び方

具体的には「椅子」か「歩行器」か「車椅子」か「電動車椅子」かということです。

補装具の「座位保持装置」の制度では、当初は「椅子」しかフレームとして考えられていませんでしたが、現在は「車椅子」や「電動車椅子」をフレームとすることも認められています。

フレームの種類・材質による選び方

具体的には「椅子」か「歩行器」か「車椅子」か「電動車椅子」かということです。

補装具の「座位保持装置」の制度では、当初は「椅子」しかフレームとして考えられていませんでしたが、現在は「車椅子」や「電動車椅子」をフレームとすることも認められています。

また、特に椅子の場合にはフレームの材質が「木製」か「金属製」か「クッション製」かという選択があります。

背もたれと座面の形による選び方
平面形状型
平面形状の背もたれや座面と各種パッド類の組合せで構成される。
モールド型
背もたれや座面を身体に合わせて三次元的に成形し、曲面で構成される。
シート張り調節型
背もたれや座面が張り調節可能なマジック付ベルトで構成される。必要に応じてインナーパッドを併用する。
※立体シート張り調節型:スリングベルトを張るパイプを曲げ加工してホールドを深くし、サポート力を高める方法
背もたれの高さによる選び方(ハイバックとローバック)
ハイバック
背もたれの延長上にヘッドサポートを取り付ける場合
  • 体幹部と頭頸部の間に隙間がないので安全
  • 調節は高さ調節のみ
  • 背の低い介助者だと前方が見えにくい
ローバック
背もたれと独立して専用金具ヘッドサポートを取り付ける場合
  • 高さ以外に前後や角度の調節が可能
  • ネックサポートなどを取り付けやすい
  • 介助者から前方が見えやすい
  • 隙間に頭頸部を挟み込む危険性がある

フレームの構造による分類

普通型

  • 背座角度固定タイプ
  • 主に頭部、体幹部のコントロールがとれている方で一定時間、姿勢変換をしなくても姿勢保持ができる場合

前傾型

  • 背座角度固定または可変タイプ
  • 嚥下や呼吸に問題がある場合
  • 下肢や頭頸部に過緊張がある場合
  • 作業的な姿勢をとりたい場合
  • 脊柱の伸展、頭部の挙上、上肢下肢の支持性などを促すことを目的とする場合、頭頚部の過緊張をやわらげたり、唾液による誤嚥を防止するためにも有効である。体幹部や膝部のサポートをしっかりつくる必要性がある。

後傾型

  • 背座角度可変タイプ
  • 主に頭部、体幹部のコントロールがとれていない方で、休息のための姿勢変換を必要をする場合
  • (筋力の低下や脊柱、関節の変形・拘縮がみられる場合など)

さらに、後傾型は以下の4タイプに分けられます。

リクライニング型

背もたれのみ角度可変タイプ

筋力の低下や脊柱の変形がある場合

  • フルフラットにすることができる。(休息や移乗の際の必要性)
  • 従来型のリクライニングでは、操作のたびに身体がずれ、「仙骨座り」を生じる

※支点オフセット型リクライニング機構支点位置を大転子近くにオフセットすることで身体のずれを小さくすることができる。

※新方式リクライニング機構きさく工房で近年開発された機構でリクライニングの支点を坐骨のやや前方に設け、背と座の臀部支持部分が一体となってリクライニングするため、身体のずれが完全に解消される。
股関節の角度を開いて充分な休息姿勢をとることができる。

ダブル・リクライニング型(新方式リクライニング+背もたれリクライニング)

新方式リクライニングとオフセット式リクライニングを兼ね備えている

極端な筋力の低下や腹部の圧迫が起きやすい場合

高度の側弯、後弯がある場合

  • 新方式リクライニングに背もたれリクライニングをプラスして,姿勢のずれを解消しつつフラットな姿勢を実現することができる。
  • 臥位に近い休息姿勢がとれ、オムツ交換や簡易的な側臥位も可能。

※従来「ティルト&リクライニング型」を「ダブル・リクライニング型」と呼称してきた経緯がありますが、新機構の誕生によりリクライニング方式の呼称について整理する必要があります。

ティルト型

背、座、足台の角度が固定のまま一体となってこう方に倒れるタイプ

股関節、膝関節などに拘縮がある場合

筋力の低下や脊柱の変形がある場合

  • 振り子型、モノコックリクライニング型、直角リクライニング型とも呼ばれる。
  • 身体のずれは生じない。
  • 股関節の角度が変わらないため、生理的休息がとりにくい。

ティルト&リクライニング型

背もたれリクライニングとティルトを兼ね備えたタイプ(従来「ダブルリクライニング型」とも呼ばれてきた。)

筋力の低下や脊柱変形のある場合

高度の側弯、後弯がある場合

  • フルフラットにすることができる。(休息や移乗の際の必要性 )
  • 体圧分散が得られる。
  • 股関節の屈曲制限のある方
  • リクライニング型の欠点を内包している。

※ティルト+新方式リクライニングティルト機構に新型リクライニングをプラス
・姿勢のずれを解消しつつ股関節を開いて休息姿勢をとることができる。
・新方式リクライニングをかけた状態で起こすと前傾前下がりの姿勢がとれる。

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